あきた白神エリアとは
あきた白神エリアは、東北地方の北西部、青森県との県境に位置し能代市、藤里町、三種町、八峰町からなるエリアです。 世界自然遺産・白神山地の南麓エリアでもあり、古くから白神山地を「神の住む森」として崇拝してきました。 また、約8000年前から手つかずのまま守られてきた白神のブナの森は、母なる森としてたくさんの「白神の恵み」をもたらし続けています。
その象徴が「清らかな水」。天然の水がめとも呼ばれるブナの森からは、水が湧き出し、川となって海へと注ぎ、 ハタハタやあわびなどの魚介類、バラエティ豊かな滋味あふれる山菜やきのこ、 白神ねぎやじゅんさいをはじめとする野菜やフルーツなど、たくさんの恵みをもたらしています。
その種類の豊富さは前菜からメイン、デザートまでのフルコースすべてエリア食材で賄えるほどで、品質はどれもが一級品です。
また、白瀑神社の滝浴びや能代役七夕、藤琴駒踊り、森岳歌舞伎のほか、番楽・神楽など、独特の伝統行事や芸能、文化も受け継がれています。
手つかずの森、神の住む森の白神山地と同様に、このエリアにはそこかしこに、古き良き日本の伝統や生活風習が残されています。
どれもが素朴でさりげないけれど味わい深く、派手さはなくとも、どこかホッとさせてくれる人々との出会い。
日本の原風景の残るこのエリアが、心安らぐ時間を紡いでくれるでしょう。
※白神山地: 秋田県と青森県にまたがる約13万ヘクタールにおよぶ広大な山地帯の総称。その中心部の16,971ヘクタールが世界自然遺産として登録されています。
世界自然遺産センター藤里館ホームページで詳しく解説しています→ 世界自然遺産白神山地
自然景観
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- 白神山地
- 1993年に日本で初めてユネスコの世界自然遺産に登録されたブナの森。 このエリアでは遺産地域を望める藤里駒ケ岳、二ッ森、小岳のほか、 太古の森を気軽に体感できる岳岱自然観察教育林、留山など、だれでも気軽に楽しめるスポットが人気です。
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- 八森海岸~岩舘海岸
- 延長16kmにおよぶ海岸線に岩礁地帯と砂浜、海岸段丘が続く風光明媚な海岸です。 釣りや海水浴に人気で、どのポイントからも美しい夕陽を見ることができるサンセットビーチとしても親しまれています。
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- 風の松原
- 能代市の海岸沿いに東西最大幅1㎞、南北総延長14㎞にわたって広がる役700万本のクロマツ砂防林。 厳しい海風による飛砂を防ぐため、江戸時代から植栽されたもので、今も能代のまちとそこに住む人々を守り続けています。
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- 小友沼
- かんがい用のため池としてつくられた人工的沼。 豊かな湿原環境が残されており、毎年春と秋を中心に多くの野鳥が訪れます。 特に早朝の飛び立ちの際は、多くのバードウォッチャーやカメラマンが観察・撮影する姿が見られます。
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- きみまち阪
- 断崖絶壁の屏風岩と樹木が絶景を織り成す景勝地で、春は桜やツツジ、秋は紅葉の名所。 その名は明治天皇が東北行幸でこの地を訪れた際、 夏の長旅を気遣う皇后の手紙が待っていたことに由来します。 以来、この地は「恋文の聖地」と呼ばれています。
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- 釜谷浜海水浴場
- 北には白神山地、南に男鹿半島を望む海水浴場。 風車が十数基立ち並ぶ様子は壮観で、映画のロケ地ともなったほど。 海水浴客のほか、数十基の砂像が展示されるサンドクラフトの見学者など多くの観光客でにぎわいます。
食・酒
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- ハタハタ
- 民謡・秋田音頭で「秋田名物、八森ハタハタ」とうたわれている魚で、 これを食べないと正月が迎えられない!という人もいるほど。 八森はその主要産地で、白神山地の水が流れ出るこの海域のハタハタは特に大きく、味もよいとされています。
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- 白神ねぎ
- 白神山地を望む広大な大地で、農家の手により丁寧に育てられたねぎは甘さが評判。 太くて柔らかく、とろけるような味わいでありながら、 シャキシャキした歯ごたえが特徴で、鍋物などに最適です。
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- じゅんさい
- じゅんさいは沼や池などに自生する植物で、葉の周りをゼリー状の膜で覆われているのが特徴です。 5月から8月にかけて、小舟に乗り一つひとつ丁寧に手摘みされ、 ぷるん、つるんとした食感が心地よく、酢の物や鍋物で食べるのがポピュラーです。
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- 山菜・きのこなどの森の恵み
- 白神のブナの森がもたらす恵みのひとつが山菜。 春にはアイコ、シドケ、ボンナ、ミズ、タケノコなど様々な種類の山菜を求めて山に分け入ります。 また、秋にはナメコ、サワモダシ、ブナカノカなどバラエティ豊富なキノコが、 このエリアの食卓を彩ります。
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- 白神ラム
- 藤里町営牧場で育てられた羊で品種はサフォーク種。 ラムとマトンの中間にあたる「ホゲット肉」は臭みがなくタンパク質・ビタミン豊富な健康・美容食です。 一頭一頭大切に育てられた羊だけが「白神ラム」として出荷されます。
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- 日本酒
- 豊かな大地で丹精込めてつくられた米と、白神山地から流れ出た水で醸したお酒は、白神の恵みの象徴 。喜久水酒造と山本合名会社という2つの蔵が、酒好きを唸らせる逸品を醸し続けています。
伝統行事
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- 役七夕
- 1000年以上の歴史を持つ城郭型の灯籠が笛、太鼓のお囃子を伴い市内を練り歩きます。 夏の夜空に明々と浮かびあがるお城を模した灯籠は見る者を圧倒し、 最後は米代川で灯籠上部を筏にのせて、米代川で火を放ち焼き流す「シャチ流し」が行われます。
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- 白瀑神社のみこしの滝浴び
- 毎年8月1日の白瀑神社例大祭で、五穀豊穣、海上安全、商売繁盛 、家内安全などを祈願する神事で、白装束の男衆が町内を練り歩き、 みこしを担いだまま滝つぼに入るという勇壮さが魅力。 みこしが滝に入るのは全国的にも珍しいと言われています。
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- 藤琴豊作踊り
- 浅間神社祭典で町内の男たちが伝統に従い披露される踊り。 中でも駒踊りは、馬の頭と尾をかたどった色鮮やかな木枠を腰に着け、 よろいに似せた衣装を身にまとった「駒」と呼ばれる男衆が特徴。 旗差物を付けて勢いよく跳ね踊る様は圧巻です。
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- 森岳歌舞伎
- 江戸時代にこの地を訪れた山伏が演じたのが始まりとされ、人 形浄瑠璃の流れをくむ独特の芸能です。 300年以上にわたり受け継がれてきた演目は本歌舞伎と同じもので、 9月に森岳八幡神社に奉納演舞されています。 時折秋田弁も交じって演じられる、この地独自の農村歌舞伎として親しまれています。
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- 各地域の番楽
- 五穀豊穣などを祈願して奉納演舞される富根報徳番楽や鰄渕番楽をはじめ、 志戸橋番楽、中館番楽など、江戸時代以前に伝承されたとされる伝統芸能が残されており、 今も地域の人々に受け継がれています。